こんにちは、沙矢佳(@a_n_koll)です。
普段のお出かけや旅行に持っていくカメラやレンズは、ホコリまみれや手垢でベトベトになりがち。
特にカメラは精密機械なので、そのまま放っておくと故障の原因にもなりかねません。
大事なカメラだからこそ、長く大切に使っていきたい。
今回カメラオトメではそんな思いに応えるべく、カメラ屋さんで働く私が実際に行なっているクリーニング方法をお伝えしていきます。
メンテナンスに使うグッズはご家庭にあるものをできるだけチョイスしているので、カメラ初心者でも簡単に始められることばかり!
カメラのメンテナンス方法を覚えて、ホコリやカビからカメラをしっかり守っていきましょう。
もくじ
カメラのクリーニングに必須の8つのアイテム
カメラのメンテナンスに入る前に、まずクリーニングに必要なアイテムをそろえておきましょう。
カメラ初心者の方は最低限のメンテナンス用品を買い揃えてから、徐々にステップアップしていくと使わずに押入れの中に保管してしまう…ということがなくなります。
必要最低限のアイテムは全部で8つ、以下のリストにまとめました。
- 固く絞ったタオル(水滴がたれてこないくらいまで絞る)
- やわらかい歯ブラシ
- 綿棒
- クリーニングクロスorシルボン紙
- ブロアー
- 無水エタノール
- スマホのライト
- ドライボックス
『無水エタノール』は専用のカメラのクリーニング液でも代用することができますが、サビや故障を防ぐためにも水分が入っていないものを選ぶようにしてください。
ブロアーでカメラやレンズ全体のホコリを吹き飛ばす
メンテナンス用品をそろえたら、まずブロアーでカメラのボディやレンズのホコリを吹き飛ばしていきます。
ボディやレンズについているホコリはふわふわとしたものが多いですが、砂などが混ざっているとクロスで拭いたときに傷の原因になってしまいます。
特にチェックして欲しいのは以下の3つのポイントです。
- ダイヤルの隙間
- アイピースカップ(ファインダーについている保護カップ)を外したファインダー部分
- チルト式・バリアングル式のモニターの隙間
この3つは見落としがちですが、ホコリがとてもたまりやすいデッドゾーン。
しっかりブロアーを使ってきれいにしていきましょう。
ブロアーで取れなかったホコリを歯ブラシや綿棒で落とす
ブロアーで大まかにホコリやちりを吹き飛ばしたら、次に歯ブラシや綿棒を使って隙間に入って取れないホコリをきれいに取り除いていきます。
歯ブラシはダイヤルの隙間やレンズのズームリング・ピントリング部分のホコリをかき出すときに、綿棒はボディの凹凸部分やマウント近くの汚れを落とすのに大活躍します。
歯ブラシは硬めのものだとボディやレンズを傷つけてしまうおそれがあるので、やわらかめのものをチョイスしましょう。
どちらもなるべくクリーニング液などを使わずに、乾拭きできれいにしていきます。
固く絞ったタオルやエタノールをつけた綿棒で手垢や汚れを落とす
全体的にホコリがなくなってきれいになったと思ったら、固く絞ったタオルでボディやレンズ部分をきれいに拭いていきます。
ボディはグリップ部分を中心に拭いていき、レンズは手で握る部分を重点的にきれいにしていきます。
水滴などのよごれはタオルで簡単に落ちますが、なかなか落ちない汚れや細かいところの清掃は無水エタノールをつけた綿棒できれいにしていきます。
無水エタノールは空気に触れると蒸発しますが、つけすぎると蒸発した跡が残ってしまうので注意が必要です。
ボディとレンズを外してセンサー・ミラー部分のホコリを吹き飛ばす
全体的にボディとレンズをきれいにしたら、次は内部の清掃に取り掛かります。
カメラとレンズを一旦取り外し、ボディ側についているセンサーをブロアーできれいにしていきます。
このときに注意することは、
絶対にセンサーやミラーに手を触れないこと!
一眼レフのミラーやミラーレスカメラのセンサーは、カメラの画質を左右するとても大切な部分。
直接手で触れてしまうと汚れがそのまま画像に反映されてしまうので、写真のクオリティにも影響が出てきてしまいます。
少しの汚れなら手を加えても構いませんが、清掃している最中にセンサーを傷つけてしまうということもあります。
この部分が汚れてしまったら、なるべくカメラメーカーにメンテナンスしてもらいましょう。
レンズからフィルターを外してブロアーとクロスできれいにする
次に先ほどボディから取り外したレンズをきれいにしていきます。
ボディ側のレンズ部分(後玉)に保護キャップをつけたら、レンズフィルターを外してレンズの表面をブロアーでしっかり吹き飛ばしていきます。
表面についてしまった汚れはクロスやシルボン紙で乾拭きし、それでも取れない箇所には無水エタノールをつけて拭いていくときれいになります。
レンズもセンサーやミラー同様写真の写りに反映される部分が多いので、クリーニングはなるべく力を入れずさっとスピーディに行いましょう。
作業が終わったら、レンズキャップをつけてホコリやチリが入るのを防ぎます。
レンズフィルターを磨いてきれいにする
最後にレンズの表面につけているレンズフィルターをきれいにしましょう。
レンズフィルターは一番汚れやすい部分で、ブロアーでホコリを吹き飛ばしたあと、タオルで汚れを落としクロスやシルボン紙で乾拭きして磨いていきます。
フィルターはそのレンズを使う頻度にもよりますが、一度できれいになるということはなく、何度も何度も磨いていく必要があります。
スマホのライト(懐中電灯モード)で汚れ具合をチェックしながら磨いていくと、効率的に磨くことができます。
フィルターがきれいになったなと思ったら、先ほどきれいにしたレンズに装着してドライボックスに保管しておきましょう。
お疲れ様でした!
カメラ・レンズをメンテナンスするときの3つのポイント
どの工程でも最初にブロアーでホコリを落としてから作業に移る
カメラをメンテナンスし慣れていない人は、最初からクロスやシルボン紙でクリーニングしがちです。
ですがそれがカメラやレンズのためになっていないことは先ほどお話しした通り。
どんな工程でも、『ブロアーでホコリを落とす』ということを徹底してください。
ブロアーから出る風は強いので、ほとんどのホコリがブロアーで落とせます。
カメラをメンテナンスするときは机をきれいにして広いスペースで作業する
カメラやレンズがホコリやチリに弱いということは何度もお伝えしていますが、カメラをメンテナンスする作業台はきれいに整っていますか?
作業台自体がごちゃごちゃしていて汚いと、せっかくきれいにしたカメラが汚れる原因になるだけでなく、作業をしているときに作業台からレンズなどが落ちてしまうというアクシデントにもつながります。
カメラやレンズは精密機械なので、一度落としてしまうと修理に莫大なお金がかかるだけでなく、カメラの寿命を短くする原因にもなってしまいます。
せっかくカメラをきれいにするのであれば、しっかり環境にもこだわって快適に作業しましょう。
カメラのメンテナンスは時間があるときにゆっくり行う
先ほどの作業環境にもつながりますが、カメラやレンズをきれいにするのは慣れるまで時間がかかります。
また慣れればいいというものでもなく、早くできるようになるということは『作業が雑になる』ということにもつながりがち。
カメラやレンズに時間をかければいいというものではありませんが、細部まできれいにするためにも時間がしっかり取れるときに作業するのがオススメです。
なかなか時間が取れないという方はお金をかけてメーカーの清掃に出したり、修理業者に出すのもGOOD。
カメラのメンテナンスをするとしないでは、長いスパンで見たときに寿命が大きく変わってきます。
定期的にメンテナンスする時間をとって、カメラとレンズを休ませてあげましょう。
カメラをセルフメンテナンスできるようになって快適なカメライフを!
ここまでのカメラのメンテナンスの流れをもう一度おさらいします。
- ブロアーでカメラやレンズ全体のホコリを吹き飛ばす
- ブロアーで取れなかったホコリを歯ブラシや綿棒で落とす
- 固く絞ったタオルやエタノールをつけた綿棒で手垢や汚れを落とす
- ボディとレンズを外してセンサー・ミラー部分のホコリを吹き飛ばす
- レンズからフィルターを外してブロアーとクロスできれいにする
- レンズフィルターを磨いてきれいにする
一つ一つは単純作業ですが、初めてカメラをメンテナンスするという方はとても時間がかかるはず。
焦らずゆっくりとクリーニングして、カメラをしっかりメンテナンスしてあげてくださいね。
スマホやPCでこのページを開きながら作業をするのもオススメです。
ぜひ何度もこの記事を読み返して、セルフメンテナンスの方法を身につけてください!
Have a happy camelife!
商品情報はこちら
半導体製造装置のメンテナンスや使い捨てカメラマーカーのレンズ部分のクリーニングに使われている工業用綿棒を作ってます。
普通のエンピツと同じ長さのステンレスの細いパイプ(直径4.0/2.0ミリ)の中に棒状の綿棒が入れてあり、汚れた部分だけ切り取ることで100回ほど使え、使い切ったら新しい中軸(スペアー)を挿入するという物です。ご迷惑でなければサンプル送らせてください。
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