カメラ会社というと真っ先に思い浮かぶのは、キャノンとニコン。
どちらも日本が誇る2大カメラメーカーですが、正直両社の違いをはっきりと説明できる人は少ないのではないでしょうか。
私自身カメラを始める前はキャノンにしようかニコンにしようか迷って、「とりあえずキャノンでいっか^^」と安易に決めてしまった人の一人です。
買って後悔はなかったものの、もうちょっとメーカーのことを知っていれば写真に対する意識もだいぶ変わってきたのではないかと思っています。
今回カメラオトメではキャノンとニコンの違いを6つのポイントから説明していきます。
この記事を読んで今後のカメラ選びに活用したり、カメラの豆知識として覚えて帰ってくださると嬉しいです。
もくじ
キャノンは精機光学研究所、ニコンは光学兵器の生産が前身になっている
まず両社の比較をする前に覚えておいて欲しいのは、キャノンとニコンの会社の成り立ちが全く違うことです。
キャノンはドイツのカメラメーカー『ライカ』のカメラを見本にして、日本でも高級カメラを作ろうと1933年に立ち上げた『精機光学研究所』という研究所がルーツになっています。
キャノンという名称はもともと仏教の「観音」から取られたもので、英語表記では『KWANON』と書いていました。
それに対してニコンの歴史はもっと古く、1917年第一次世界大戦によって輸入が断たれてしまった光学兵器を日本で生産するために作られた『日本光学工業株式会社』という会社が前身になっています。
光学兵器は軍事用の望遠鏡や測距計といったものから、汎用品であるカメラや双眼鏡も種類の一つとして考えます。
第二次世界大戦を終えてからは双眼鏡、写真機、測量機、顕微鏡、測定機、メガネレンズといった民生用光学機器の生産に事業を転換しました。
キャノンはもともとカメラの生産をするために作られた研究所、ニコンは光学兵器を作る会社として生まれたという違いは後のカメラの写りにも大きく影響していきます。
また現在だとキャノンはプリンターやスキャナーといった印刷関連にも強い会社で、ニコンは映像事業や半導体事業に特化しているという違いがあります。
作画に対する考え方がキャノンとニコンで大きな差がある
『【メーカー各社】一眼レフの特徴まとめ』という記事でも少しお話ししましたが、キャノンとニコンでは写真の写り方が全く違います。
先ほど2社の会社の成り立ちが違うというお話をしましたが、その内容が大きく関わってきます。
キャノンはもともとカメラに力を入れていたということもあり、カメラの写りも見たままではなく『写真としてきれいな写真』な写真を撮るのが得意です。
そのため実際に見ている景色よりも色鮮やかだったり、人の肌を白くきれいに写すのがうまいカメラになっています。
一方でニコンは光学兵器を作っていたということもあり、『目で見た景色と同じ写真』を撮るのが得意です。
そのためニコンのカメラは景色を切り取ることに長けていて、NASAで宇宙でも使われたという経緯にはニコン特有の特徴が背景にあったからと言えます。
一つのアートとして写真を残したい人にはキャノン、見たままの景色をそのまま残したいという人にはニコンがオススメです。
キャノンの方が製品の価格が安く、ニコンの方が値段が高い
カメラを買うときにどうしても気になってしまうのがカメラの価格ですが、一般的にキャノンの方がカメラのボディもレンズも安い傾向にあります。
ニコンはフィルムカメラ時代から高級なカメラブランドという立ち位置だったため、今でもフィルムカメラはニコンの方が価格が高くなっています。(もちろんカメラの状態や機種によってバラツキはあります)
一方キャノンは大衆向けのカメラブランドという扱いをされているので、ニコンと比べると入門機や高級機などもお手頃価格で手に入れられます。
SNS時代では必須のWi-Fi機能を一眼レフに搭載し始めたのもキャノンの方が先で、今でもニコンの上位機種にはWi-Fi機能がついていないものも多くあります。
キャノンとニコンではユーザーの考え方に違いがある
キャノンとニコンは一眼レフの2大メーカーですが、両社で使用するユーザーの考え方にも違いがあります。
カメラのレンズはキャノンやニコンといったカメラメーカーが出すものだけでなく、サードパーティと呼ばれるレンズを専門に作っている会社のレンズもあります。
キャノンユーザーの中にはキャノンのレンズだけでなく、他社のレンズも使っていろんな写真を撮りたい人がキャノンのカメラを選ぶことが多いです。
それに対してニコンはフィルムカメラ時代からニコンの写りが好きな人がニコンのカメラを使っているという方も多く、サードパーティ製のレンズよりもニコン純正のレンズを選ぶという傾向があります。
その背景にはフィルムカメラ時代から、一貫としてカメラとレンズの結合部分(マウント)を同じ規格で統一してきたというニコンのユーザーに対する思いが込められているからです。
マウントが変わってしまうとレンズを一から揃えないといけないデメリットがありますが、ニコンは長年同じFマウントを使い続けてきたことでファンからの信頼を得てきました。
考え方は人それぞれですが、キャノンとニコンでユーザーの考え方が違うというのは興味深い点でもあります。
キャノンの方がカメラが壊れやすくニコンの方が耐久性がある
上位機種になればなるほど機体が大きくなって重量も増す一眼レフですが、頑丈な作りとしっかりした描写を作るためには大きくて重いカメラが必須です。
キャノンは大衆向けのカメラに力を入れているので、全体的に軽量小型化しているカメラのラインナップが多いですが、耐久性はそのぶん大きく下がってしまうのが現状です。
その点ニコンはサイズと重量共に大きいものが多いですが、耐久性に対してはキャノンと比較にならないほど力を入れています。
カメラの修理でもキャノンの方が圧倒的に修理する数が多いと言われていて、ニコンのカメラの壊れにくさには定評がついています。
カメラも精密機械なので買い換えて使っていかなければいけない道具ですが、一つのものを長くずっと使い続けたいという人にはニコンがぴったりです。
全体的なカメラの売れ行きとしてはキャノンの方が上位
カメラは大きく分けて、一眼レフ、ミラーレスカメラ、コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)の3種類がありますが、そのどれにも強いのがキャノンです。
ニコンもそれぞれのカメラを出しているものの、キャノンに比べるとミラーレスカメラやコンデジの売れ行きは劣っています。
特に最近キャノンはM100やKiss Mといった女性向けのミラーレスカメラを売り出していて、一眼レフ入門機のKissシリーズ時代の機能を取り入れた初心者にも使いやすく、デザインも可愛いミラーレスカメラに力を入れています。
またキャノンは高級コンデジと呼ばれるコンパクトカメラの高級路線にも強く、ニコンがその後追いをしているのが現状です。
キャノンとニコンの違いを知って自分の好きなカメラを選ぼう
ここまでキャノンとニコンの違いについてお話ししてきましたが、ここでさっくりとまとめてみます。
キャノン | ニコン | |
会社の前身 | 精機光学研究所 | 日本光学工業株式会社 |
写真の写りかた | 写真としてきれいな写真 | 目で見た景色と同じ写真 |
価格 | 安い | 高い |
ユーザー | 他社のレンズを使いたい | ニコンのカメラの写りが好き |
耐久性 | 弱い | 強い |
売れ行き | 上位 | 後追い |
こうしてみると両社ともにはっきりと違いが分かれてきます。
ここで覚えておいて欲しいのが、キャノンがいい・ニコンが悪いというのではなくどちらにもメリットとデメリットが存在しているということです。
その上で自分の用途や好みによってカメラを選んで欲しいと思っています。
私のオススメはカメラをこれから買うという初心者の方にはキャノンのカメラが使いやすく、本格的にこれからカメラを勉強していきたいという方にはニコンを使っていくのかいいのかなという感じです。
ぜひこの記事を何度も読み直して、カメラメーカーについての理解を深めてくださいね。
Have a happy camelife.
[…] […]